論文 - 藪下　聡

Photodissociation of ICl at 235-248 nm

戸野倉堅一、松見豊、川崎昌博、H.L.Kim、藪下聡、藤村志佳男、斎藤昊

J. Chem. Phys.  （ 99 ） 3461-3467 1993年09月

共著

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ICl分子の235-248nm領域における光分解反応の生成物であるヨウ素、塩素原子の電子状態を、スピン軌道相互作用を含む配置間相互作用法を用いて実験理論の両面から調べた。その結果、遷移モーメントの垂直遷移による成分は断熱的に解離するが、平行成分による成分は、非断熱相互作用を伴って解離することがわかった。

Ab Initio Calculations of the Multiplet Terms of (TmP4)3+ cluster

伊藤伸一、斎藤理一郎、木村忠正、藪下聡

J. Phys. Soc. Jpn,  （ 62 ） 2924-2933 1993年08月

共著

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正四面体の頂点にP原子を置き、その中心に三価のTmを置いたときに得られる多重項分裂様式を、スピン軌道相互作用を含む配置間相互作用法を用いて理論的に計算した。この方法により、スピン軌道相互作用と結晶場分裂を同等に取り扱うことが可能となった。3H4, 4H5, 3H6のエネルギー差はこれまでの実験値と良く一致した。

Ab Initio Calculations of Linear and Nonlinear Polarizabilities in the Side Chain Direction on the Conjugated Polymers

林慎一朗、藪下聡、今村詮

Chem. Phys. Lett.  （ 179 ） 405-409 1991年04月

共著

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ポリアセチレンとその誘導体について、側鎖方向の電場に関する分極率と３次の超分極率を求めた。これは高分子の非経験分子軌道法によるものとしては世界で初めてのものである。主鎖 -側鎖間の相互作用が３次の超分極率に強く影響することを明らかにした。

Ab Initio Potential Energy Surfaces and Trajectory Studies of A-band Photodissociation Dynamics: CH3I* → CH3+ I and CH3 + I*

天辰禎晃、 諸熊奎治、藪下聡

J. Chem. Phys.  （ 94 ） 4858-4877 1991年04月

共著

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ヨウ化メチルの光分解反応のポテンシャル面を大規模スピン軌道CI法で解析し、メチルラジカルの回転だけでなく振動励起にも同様のチャネル依存性があることを発見し、その機構を明らかにした。この結果は後に、いくつかの実験グループにより確認され、我々の理論計算が正しいことが証明された。

Ab Initio Potential Energy Surfaces for Rotational Excitation of CN Product in the A-band Photodissociation of ICN

藪下聡、 諸熊奎治

Chem. Phys. Lett.  （ 175 ） 518-524 1990年12月

共著

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ICNの光分解反応のポテンシャル面を大規模のスピン軌道CI法で解析し、生成物のCNラジカルがI-チャネルでは回転励起しているが、I*-チャネルでは回転励起していない原因及びCH3Iとの違いを明らかにした。特に変角に対する励起ポテンシャル面の振る舞いは、それまで実験的に推定されていたものと大きく異なる結果を得、新たな解離のモデルを提出した。

MCSCF Study on the Potential Surfaces of Excited States in Chlorine Cyanide (ClCN) Photodissociation

S. Zheng、藪下聡、 諸熊奎治

Huaxue Wuli Xuebao (China)  （ 2 ） 518-524 1989年02月

共著

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ClCN分子の光分解反応を解析するため、その励起状態のポテンシャル面をMCSCF法で計算した。その結果、実験的に調べられている193nm 付近の励起状態として、一重項のΠ状態があり、分子の変角に対して非常に不安定であり、光分解生成物のCNラジカルが回転励起することが分かった。

Potential Energy Surfaces for Rotational Excitation of CH3 Product in Photodissociation of CH3I

藪下聡、 諸熊奎治

Chem. Phys. Lett.  （ 153 ） 517-521 1988年12月

共著

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CH3Iの光分解反応のポテンシャル面を藪下が別に開発した大規模のスピン軌道CI法で解析し、生成物のCH3ラジカルがI-チャネルでは回転励起しているが、I*-チャネルでは回転励起しない原因を明らかにした。

Complex-Basis-Function Treatment of Photoionization in the Random-Phase Approximation

藪下聡, C. W. McCurdy, T. N. Rescigno

Phys. Rev.  （ A36 ） 3146-3151 1987年10月

共著

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従来は共鳴状態を計算するためだけに用いられた複素座標法を更に拡張し、分子の光イオン化断面績を求める方法を開発し、He や窒素分子等で非常に良好な結果を得た。電子相関がイオン化の域値付近で非常に重要になることを発見した。

Reply to Comment by Farnell and Ogilvie on 'Ab Initio Calculations of Doublet States of NH+

山下晃一、藪下聡、諸熊奎治、楠勲

Chem. Phys. Lett.  （ 137 ） 193-194 1987年06月

共著

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以前山下らが行なったNH+の計算に、更にスピン軌道相互作用を追加したが、分子分光の実験で直接観測されるような強い影響は考えられないことがわかった。

Interfering Resonances: Avoided Crossings of Autoionizing States in Molecules

L. A. Collins, B. I. Schneider, C. J. Noble, C. W. McCurdy, 藪下聡

Phys. Rev. Lett.  （ 57 ） 980-983 1986年08月

共著

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共鳴状態間の相互作用と独立粒子モデルの妥当性を調べるため、電子-水素分子イオン系で水素間の距離を変化させ、共鳴位置、幅の変化を調べた。これまで全く認識されていない共鳴状態間の非交差を発見した。

Feshbach Resonances in Electron-Molecule Scattering by the Complex Multiconfiguration SCF and Configuration Interaction Procedures: The 1Σ+g Autoionizing States of H2

藪下聡, C. W. McCurdy

J. Chem. Phys.  （ 83 ） 3547-3559 1985年10月

共著

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電子-分子散乱系にあらわれる共鳴状態を計算するため、複素数軌道を使った多配置SCF法とCI法を開発し、電子-水素分子イオン系に適用した。この方法が非常に高精度の計算を可能にすることを明らかにした。またそれまでその解析が困難だった電子相関との関係を明らかにした。

Inversion Barriers in NH2X, PH2X, NHXY, and PHXY Species

藪下聡, M. S. Gordon

Chem. Phys. Lett.  （ 117 ） 321-325 1985年06月

共著

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Pを含んだ分子の反転障壁はNのものより大きいことが知られているが、これを理論的に調べた。またシアノ置換体の特異性の原因を明らかにした。さらにラジカル種についても同様の計算を行ない、Nを含むものは障壁が無いか非常に小さいことが分かった。

Theoretical Studies of Cyclic C2Si2H4 Molecules

T. A. Holme, M. S. Gordon, 藪下聡, M. W. Schmidt

Organometallics  （ 3 ） 583-586 1984年04月

共著

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化学式C2Si2H4 を持つ１３個の異性体の最安定構造の結合様式を求めた。炭素の場合に比べケイ素の２重結合は弱く、また歪に対する安定度が高いことがわかった。また平面構造を持ったもののうち、ジラジカル性の強いものを明らかにした。

Structure, Bonding, and Internal Rotation in H3PO, H2POH, and HFPOH

M. W. Schmidt, 藪下聡, M. S. Gordon

J. Phys. Chem.  （ 88 ） 382-389 1984年02月

共著

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PO結合の性質を明らかにするため局在化軌道を用いて解析した。PからOへの配位結合にOの孤立電子が逆配位したものとみなせることがわかった。また表題分子の内部回転の障壁の原因を調べた結果、その違いが分子内双極子相互作用に起因することを明らかにした。

MINDO/3 Calculations of Kinetic Isotope Effects in Heterolysis of Neopentyl Alcohol

安藤喬志、山高博、藪下聡、山口兆、笛野高之

Bull. Chem. Soc. Jpn.  （ 54 ） 3613-3614 1981年11月

共著

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プロトン化したネオペンチルアルコールとヘテロリシス反応の遷移状態の構造を決定した。遷移状態は環状構造であり、理論的に求めた 14Cの同位体効果は実験値と非常に良く一致した。

On the Mechanism of Photooxygenation Reactions. Computational Evidence against the Diradical Mechanism of Singlet Oxygen Ene Reactions

山口兆、藪下聡、笛野高之、K. N. Houk

J. Am. Chem. Soc.  （ 103 ） 5043-5046 1981年08月

共著

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一重項酸素分子のエン反応の可能な中間体のエネルギーを計算し、1,4-ジラジカルが最安定であることがわかった。しかしこの中間体では実験的に知られる高い立体特異性を説明できず、反応が協奏的に進行することを示唆した。

Geometry Optimizations of the Dioxetane, Perepoxide and 1,4-Diradicals for the Ethylene plus Molecular Oxygen System: Mechanism of Photooxygenation of Olefins

山口兆、藪下聡、笛野高之

Chem. Phys. Lett.  （ 78 ） 572-577 1981年03月

共著

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エチレンと一重項酸素分子の反応機構を調べるため、可能な中間体の構造最適化により、この反応が協奏的に起こることを明らかにし、他の研究者がGVB-CI法で提出した反応機構が間違いであることを示した。

Zwitterionic Mechanisms for Photooxygenation Reactions of N-Activated C-C Double Bonds: Full Geometry Optimizations of the Diradical and Zwitterionic Intermediates by ab initio SCF Method

山口兆、藪下聡、笛野高之

Chem. Phys. Lett.  （ 78 ） 566-571 1981年03月

共著

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1,1-ジアミノエチレンと一重項酸素分子の反応機構を調べるため、その中間体として考えられているペルエポキシド、ジラジカル、ジオキセタンなどの構造最適化を行い、実験的に提案されている双極イオンを経る機構が、正しいことを理論的に証明した。

Ab Initio UHF and UHF NO CI Approaches for Quasi-degenerate Systems: Methylene Peroxide (CH2OO)

山口兆、藪下聡、笛野高之、加藤重樹、諸熊奎治、岩田末広

Chem. Phys. Lett.  （ 71 ） 563-568 1980年05月

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以前（論文１）提案した一般化ハートリーフォック自然軌道を、多参照配置関数を使うCI法に適用し、より定量的な議論を行なった。不安定分子としてCH2OOを調べた結果、我々の方法が、GVB-CI法と同等の結果を与えることを証明した。また理論的にこの方法とGVB-CI 法及びMCSCF-CI法の対応関係を調べた。

Geometry Optimization of the Ring-opened Oxirane Diradical: Mechanism of the Addition Reaction of the Triplet Oxygen Atom to Olefins

山口兆、藪下聡、笛野高之、加藤重樹、諸熊奎治

Chem. Phys. Lett.  （ 70 ） 27-30 1980年02月

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エネルギー勾配法による核配置の最適化を開環したオキシランジラジカルに適応し、三重項酸素がエチレンに付加する反応の機構を調べた。三重項σπ型のジラジカルが最安定であることがわかった。