論文 - 増田　真也

調査の回答における中間選択-原因、影響とその対策-

増田真也・坂上貴之

心理学評論 （心理学評論刊行会）  57 （ 4 ） 472 - 494 2015年03月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

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態度や意見に関する調査項目に回答する際に、中間の回答選択肢がよく選ばれることが広く知られている。こうした中間回答は、よく見られる反応バイアスの1つとみなされてきた。先行研究のレビューから、中間選択は以下の2つの理由、(1)真の中立的な回答、 (2)特に無知、非決定、無意見であることから生じることが示唆された。もし回答者が後者の理由で中間カテゴリを選ぶのであれば、研究成果の妥当性は疑われることになる。我々は中間回答を増やしたり、減らしたりする条件について、特に質問項目の難しさや曖昧性の点から検討した。我々は、中間カテゴリが設けられるべきかどうか、について検討した。また項目や回答形式の明晰性を向上させることで、中間選択を抑制する方法について論じた。

働く人々のバーンアウトと職場環境に関する最近の研究成果

北岡和代・増田真也・森河裕子・中川秀昭

産業ストレス研究 22   113 - 118 2015年03月

研究論文（学術雑誌）, 共著

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MBIはバーンアウト測定において最も用いられているが、研究者間でコンセンサスが得られたバーンアウトの判定基準はない。我々はこれまでに提唱されている判定基準を踏まえた上で，臨床的にも理論的にも妥当と考えられるバーンアウトの判定基準の作成を行った。ニューラルテスト理論（NTT）を用いて検討したところ、3つの下位尺度の得点の組み合わせで5つのグループに分類することが妥当と思われた。この基準を用いて、バーンアウトが身体健康におよぼす影響について調べたところ、‘重度バーンアウト’群に属していた社員は，5年後の身体健康指標が最も悪かった。

日本の精神保健看護師のバーンアウト率について；他職業集団および他国精神保険看護師集団との比較

北岡和代・増田真也・大西香代子・中原純・竹澤翔・森河裕子・中川秀昭・西村邦宏・中村文明・飯原弘二

北陸公衆衛生学雑誌 42   69 - 75 2015年

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

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This study assesses the rate of burnout among mental health nurses in Japan.In addition to that, we compared these results to data from physicians, company employees, and Finnish mental health nurses. Results shows that almost all Finnish mental health nurses were working in a good health. On the other hand, approximately one third of Japanese mental health nurses were working in a burned-out state.

Academic report on burnout among Japanese nurses

Kazuyo Kitaoka, Shinya Masuda

Japan Journal of Nursing Science 10 （ 2 ） 273 - 279 2013年

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

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AIM:
Japanese nurses have increasingly experienced "burnout" in the past several years. Studies on Japanese nurses are required in order to explore how to prevent nursing burnout. The objectives of this report were to: (i) introduce the concept, definition, and measurement of burnout; (ii) look at an overview of the prevalence, possible causes, and consequences of burnout among Japanese nurses; and (iii) explore how to prevent burnout among nurses.
METHODS:
The authors and co-researchers have been studying burnout among Japanese workers for more than 15 years. Therefore, previously performed studies were reviewed and summarized.
RESULTS:
In Japan, approximately 36% of human services professionals, such as nurses, were burned out compared to 18% of civil servants, and 12% of company employees. It was quite obvious that nurses are prone to burnout. The possible causes and consequences of burnout among Japanese nurses were reviewed. Excessive workloads and interpersonal conflict in the workplace were possible causes of burnout among Japanese nurses. The consequences of nurse burnout are potentially very serious, including medical accidents/errors. Issues to prevent nursing burnout were then reviewed. Enhancement of cognitive coping skills for female nurses and problem-solving skills for male nurses could contribute to prevention of burnout in nurses.
CONCLUSION:
The authors' previous study revealed that the new model of the organizational context of burnout developed by Leiter and Maslach could be applied to Japanese. Further examination is needed. This report supports the call to scale up burnout prevention strategy for Japanese nurses.

心理尺度における項目の方向性とグループ化の影響

増田真也・北岡和代・荻野佳代子

健康心理学研究 25 （ 1 ） 31 - 41 2012年08月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

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本論文はポジティブな表現からなる項目とネガティブな表現からなる項目を混在させた尺度を使用するときに、研究者がしばしば遭遇する問題を取りあげた。研究1では、2つのフォームの自尊感情尺度が用いられた。一つは、公開されているのと同じ順序で10の項目が並べられた（通常）。もう一つはポジティブな項目を先に、ネガティブな項目を後に配置した(グループ化)。すると、グループ化したポジティブ項目の得点は通常の配置のときよりも高くなった。研究2では、通常のマスラックバーンアウト質問票（一般調査用）において、職務効力感はポジティブな表現からなる項目で測定されているが、本研究ではネガティブな表現からなる項目を含めた。478人の会社員が3つのフォーマット（通常、ネガティブ表現、グループ化）のうちの1つに回答した。その結果、ネガティブな表現にしたり、グループ化したときの方が、通常と比べて、職務効力感が(1)バーンアウトの他の2要素と強い関連があり、(2)合計得点が高くなり、(3)中間カテゴリが選ばれなかった。

バーンアウト測定尺度Maslach Burnout Inventory-General Survey (MBI-GS)の概要と日本版について

北岡和代・増田真也・荻野佳代子・中川秀昭

北陸公衆衛生学会誌 37 （ 2 ） 34 - 40 2011年03月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

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バーンアウトを測定する尺度であるMBI-GS (Maslach Burnout Inventory-General Survey）の理論的、測定論的背景について論じるとともに、日本語版の開発の経緯や尺度としての特徴について解説した。

曖昧な情報と制御幻想が割合の推定に及ぼす影響

増田真也

感性工学 9 （ 4 ） 232 - 240 2010年09月

研究論文（学術雑誌）, 単著, 査読有り

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確率が明確ではないような曖昧状況は、推測の自信を低下させることから避けられるとされる。しかしながら、確率が非常に低いような状況ではむしろ好まれることも知られている。本研究では、参加者が複数事象の生起の有無を実際に体験した上で、ある事象が生起した割合の推定を求める2種類の実験を行った。このとき、制御幻想を導くとされる手続きへの関与が可能であると、そうした手続きが無く、自動的に表示させたときよりも推定の自信が増大した。しかしながら、こうした操作は推測値の高低には影響しなかった。この結果は、従来一括りにされてきた制御幻想という現象が、少なくとも２つの異なる現象からなることを示している。

パーキンソン病患者の在宅療養生活と介護サービス利用についての現状調査

藤井千枝子・増田真也

日本公衆衛生雑誌 54 （ 5 ） 338 - 347 2007年05月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

曖昧性と制御幻想が選好に及ぼす影響

増田真也

慶應義塾大学大学院社会学研究科博士学位申請論文(第4094号) 2007年02月

学位論文（博士）, 単著

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曖昧性忌避をはじめとする、曖昧性下での判断や意思決定に関する研究と、ギャンブル行動などで見られる制御幻想は、これまでまったく異なる研究領域とされてきた。本論文ではまず、それぞれの研究領域で取り上げられてきた要因や実験方法を整理した。そして、曖昧性と制御幻想が、選好において反対方向の影響を及ぼすものの、判断や意思決定の同じ側面から捉えることができることを、9つの実験を通じて明らかにした。

日本版MBI-GSの妥当性の検討

北岡和代・荻野佳代子・増田真也

心理学研究 75 （ 5 ） 415 - 419 2004年

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

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バーンアウトを測定するための新しい尺度であるMBI-GS (Maslach Burnout Inventory-General Survey）の日本語版を作成し、デマンドコントロールモデルの観点から、妥当性があることを確認した。

施設介護者のパーソナリティ、バーンアウトと業務評価の関係

増田真也・外島裕・藤野信行

産業・組織心理学研究 17 （ 1 ） 3 - 14 2003年09月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

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介護職従事者に望ましいと考えられるパーソナリティについて、業務の自己評価だけでなく、上司評価やバーンアウトとの関係から検討した。

制御幻想とは何か？－実験操作と測定方法の検討－

増田真也・坂上貴之・広田すみれ著

心理学評論 45   125 - 140 2002年12月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

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Langerが提唱した制御幻想については、過去に多くの研究がなされてきたが、ICが一体何であるかについては明確ではない。我々は制御幻想を扱った実験を検討し、ほとんどの研究が制御幻想の仮説を支持する結果を得たことを見いだした。しかし何を独立変数とし、何を従属変数とするかが研究ごとに異なっているため、先行研究の結果について再検討する必要がある。我々はICを引き起こす要因を新しい観点から分類し直すことを提案した。これに加えて、制御幻想の2つの典型的な測定指標が2次確率分布の観点から区別できる可能性があることを示唆した。

選択の機会が曖昧性忌避に与える影響－異なる種類の曖昧性での検討－

増田真也・坂上貴之・広田すみれ

心理学研究 第73巻   34 - 41 2002年04月

共著, 査読有り

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曖昧性忌避を引き起こしたり，消滅させたりする条件について検討するために、明確な賭けと曖昧な賭けの間での選択を求める一連の実験を行った。結果は明確な賭けが常に好まれるわけでなく、曖昧性忌避を示す被験者の割合は曖昧性のタイプによって異なることが示された。さらに、曖昧性忌避は被験者が課題を選択することが可能なときには一貫して減少した。こうした結果は、2次確率分布の形態と制御幻想の観点から解釈された。（共同研究につき、本人担当部分抽出不可能)

いじめ傍観者の定着過程に関する研究

松本敬介・増田真也・大原利江

茨城大学教育実践研究  （ 20 ） 83 - 96 2001年12月

共著

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いじめの発生と持続においては、加害者と被害者の関係だけでなく、多数を占める周囲の傍観者の存在の影響が大きいことが指摘されている。本研究では、小中学生を対象として、どのような場面でいじめの傍観者となり、そのことについて自らを納得させるような理由付けをしているかについて検討した。（共同研究につき、本人担当部分抽出不可能）

茨城県内の教育相談援助機関の活動と問題点に関する調査研究

増田真也・大原利江

茨城大学教育実践研究  （ 20 ） 13 - 21 2001年12月

共著

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茨城県内の児童相談所や各市町村による教育相談室などの教育相談機関を対象とし、郵送調査を行った。心のケアを初めとして、児童生徒に対する教育的問題の対策が進められているが、実際の相談機関では来談者数の偏りが大きいなど、いくつかの問題点があることが明らかになった。（共同研究につき、本人担当部分抽出不可能）

発達社会適応のシュミレーションモデル

大原利江・増田真也

茨城大学教育学部紀要（人文・社会科学・芸術）  （ 50 ） 349 - 362 2001年03月

共著

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個性に応じた教育環境を提供するためには、まずこれらの交互作用についての知見が必要である。しかしこうした研究は費用と時間がかかるため、なかなか実現しない。そこで行動に関する仮想モデルを作成し、コンピュータによるシミュレーションによって、効果の高い教育方法に関する変数の検討を試みた。（共同研究につき、本人担当部分抽出不可能）

自己効力と時間的展望が職業不決断に与える影響

菊池由美子・増田真也

茨城大学教育実践研究  （ 19 ） 259 - 272 2000年11月

共著

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大学生における職業不決断状態を把握し、さらに進路決定に対する自己効力及び時間的展望との関連を検討した。（共同研究につき、本人担当部分抽出不可能）

対人援助職の適性に関する研究（１）

増田真也・外島裕・藤野信行・小川正男

茨城大学教育学部紀要（人文・社会科学・芸術）  （ 49 ） 215 - 228 2000年03月

共著

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増大する対人援助職者の適切な採用、配置、教育のために、対人援助職者に適切なパーソナリティ特性を明らかにし、それを測定するための尺度の開発を試みた。まず第１研究で、新たに作成した118項目の尺度の適否を確認するために、1989名の学生から得られたデータを分析した。第２研究では、作成された新尺度と既存尺度との関連について確認した。（共同研究につき、本人担当部分抽出不可能)

保護者を要因とする教師のストレスに関する研究

照井康幸・増田真也

茨城大学教育実践研究  （ 18 ） 29 - 41 1999年10月

共著

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教師のストレスの原因となる保護者要因を明確にするために、養護学校小学校教師計175名に質問紙調査を行った。結果は、子どもの教育の役割について、ほとんどの項目で教師と保護者との考え方にズレがあることが示されると同時に、このズレが大きいほど、教師は役割葛藤を感じるという傾向がみられた。また、保護者の自己中心的・家族エゴ的な行動・態度をよく経験している教師は、自分の役割を越えると考えられる期待を感じており、情緒的消耗感の経験が高かった。（共同研究につき、本人担当部分抽出不可能)

バーンアウト研究の現状と課題－Maslach Burnout Inventoryの尺度としての問題点－

増田真也

コミュニティ心理学研究 3   21-32 1999年09月

単著, 査読有り

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バーンアウト（燃え尽き）研究において、世界的に使用されているMBIが近年改訂された。また高齢社会の進展に伴い、わが国でも医療・福祉業務従事者のバーンアウト（燃え尽き）に関する研究が増大してきた。本論文ではこうしたMBIを用いた最近の研究の事情について概観し、我が国におけるこの領域の今後の研究についての提言を行った。